主な病気

緑内障

緑内障は、白内障とならんで目の病気の中でも多いものの一つですが、自覚症状がないまま慢性的に経過する例が多く、放置されていることが少なくありません。10年余り前に全国規模で行われた調査によれば、40歳以上の30人に1人が緑内障だったと報告されています。そして実際に眼科で診断されて治療を受けている人は、その内の2割に過ぎず8割の人は治療を受けていないということもわかりました。
たいへん多くの人が、視野が狭くなったり進行して視力が下がったりして初めて気づくか、健康診断の眼科検査で発見されるまでわからないという現状です。

緑内障とは

目の仕組み

目は透明な角膜、水晶体、硝子体を通った光が網膜に達し、その情報が視神経に集まって、脳に伝えられることにより“見る”ことができるようになっています。

毛様体の働き

毛様体からは房水という液体が分泌されて、目の中を絶えず循環し、眼球の丸い形と一定の硬さ(眼圧)を保ち角膜や水晶体に栄養を与えています。
健康な目では、毛様体で作られる房水の量と排出路を通って目の外へ出て行く量がつりあっていて眼圧が一定に保たれています。 (一般的には10~20mmHgが正常範囲とされ、1日の中でも変動します)

緑内障とは

何らかの原因で房水の排出が障害されると眼圧が上がり、それによって視神経が圧迫されて傷つき、次第に視野が欠けたり視力が下がって、遂には失明に至るという病気が「緑内障」です。

緑内障の種類

緑内障は、眼圧が上昇する原因によって次の3つに分けられます。

先天緑内障 生まれつき隅角が未発達であることから起こります。
続発緑内障 他の目の病気(外傷、ぶどう膜炎など)や、ステロイドホルモン剤等の薬剤によって、眼圧が上昇するものです。
原発緑内障 「閉塞隅角緑内障」と「開放隅角緑内障」があります。
閉塞隅角緑内障 開放隅角緑内障
隅角が狭くなることによって房水の排出が悪くなります。
急性発症のものと慢性に経過するものとがあり、急性緑内障では、突然激しい頭痛や眼痛、吐き気などの症状が現れます。
隅角は広いにも関わらず、房水の出口である線維柱帯が徐々に目詰まりを起こし眼圧が上昇し、ゆっくりと病気が進行していきます。初期には症状を自覚しにくく、人間ドックや他の理由で眼科を受診して、たまたま発見されることも少なくありません。
閉塞隅角緑内障
隅角が狭くなることによって房水の排出が悪くなります。
急性発症のものと慢性に経過するものとがあり、急性緑内障では、突然激しい頭痛や眼痛、吐き気などの症状が現れます。
開放隅角緑内障
隅角は広いにも関わらず、房水の出口である線維柱帯が徐々に目詰まりを起こし眼圧が上昇し、ゆっくりと病気が進行していきます。初期には症状を自覚しにくく、人間ドックや他の理由で眼科を受診して、たまたま発見されることも少なくありません。
  • 開放隅角緑内障には正常眼圧緑内障といって、眼圧が正常範囲であるにも関わらず、視神経がその圧にたえられず障害が進行していく例もあり、日本人では緑内障の6割がこのタイプであるといわれています。

緑内障の検査

緑内障検査の主なものは、眼圧検査、眼底検査、視野検査です。 この内、眼底検査では、視神経乳頭部の陥凹の大きさや形、神経線維の脱落などを調べます。その他、必要に応じて隅角の観察等も行います。

正常の視神経乳頭

緑内障が進行して
蒼白になった視神経乳頭

視界の変化

緑内障による視野の欠損、視力の低下は治療によって元に戻すことはできません。治療でできることは、眼圧を低くコントロールすることによって病気の進行をくい止めることです。そのため早期に発見して治療を開始すれば、それだけ正常に近い視機能を維持することができると考えられます。
治療法としては、薬物療法、レーザー治療や手術が一般的です。

薬物療法

治療に用いられる点眼薬には、いろいろな種類があります。

治療に用いられる点眼薬の特徴

  • 房水の産生を抑制するタイプ
  • 房水の排出を促進するタイプ

症状によって、点眼薬を単独で使ったり2~3種類組み合わせて使ったりします。また点眼薬だけではコントロール不良な時は、眼圧を下げる内服薬や視神経保護作用のある内服薬を併用することもあります。

レーザー治療 急性緑内障や薬物でコントロールが不十分な場合に行われます。 虹彩にあてて小さな孔を開けたり、線維柱帯にあてて房水の流出を促進します。 比較的安全で、ほとんど痛みもなく入院の必要もありません。

レーザー治療のできない急性緑内障や、他の方法でコントロール不良な場合には手術を行います。房水の流れを防げている部分を切開して流れやすくする方法や、毛様体での房水の産生を抑制する方法などがあります。 レーザー治療や手術をして眼圧が下降しても、その効果が維持できず再手術が必要になることもしばしばあります。

日常生活について

注意すること

  • 喫煙は控える
  • 一度に大量の水分(1リットル以上)を摂らない
  • 胃腸薬や鎮痛剤などの中には眼圧を上昇させるものがあるため、他の病気で他の科にかかる場合は、緑内障で治療中であることを必ず医師に伝える

上記以外には、ほとんど普段の生活に制限はありませんので、あまり神経質にならず、ゆったりとした気分で治療を続けることが大事です。ただし緑内障は、高血圧や糖尿病と同じように一生治療と管理が必要な病気です。眼圧が安定しているのは薬が効いているからで、薬を止めてしまえば上昇します。

網膜剥離が手術によって治っても、手術前に網膜剥離が網膜の中心部である黄斑部(おうはんぶ)にまで広がっていると、手術後に変視症が残ります。これは術前にどのくらいの時間、期間、黄斑部に剥離があったかにより異なります。若年者では剥離の進行が遅く、黄斑部に剥離が及んで初めて眼科受診することがほとんどで、手術により網膜が復位しても変視症が残ることが多くあります。