主な病気

角膜移植

全層角膜移植

角膜移植とは

外傷や角膜病変のために混濁した角膜を切除して、他の亡くなられた方の角膜をかわりに移植します。患者さんの混濁した角膜を直径約7.0mm~7.5mmの大きさで円形に切除し、かわりに提供された透明な角膜を縫着する手術です。

適応する角膜

角膜の内側の細胞(角膜内皮細胞)が機能不全となった「水疱性角膜症」という病気が、最も良い適応です。

拒絶反応

提供者の角膜内皮細胞も移植されるため、手術後に20~30%の頻度で拒絶反応の危険があり注意が必要です。また長期的には角膜内皮細胞が減少し続けるため、再移植が必要となることがあります。

深層角膜移植(DLKP)

深層角膜移植とは

患者さんの混濁した角膜を円形にぎりぎりまで深く切除し、健常なデスメ膜と角膜内皮細胞を残したうえで、その上に提供された角膜を縫着する手術です。

適応する角膜

水疱性角膜症以外の角膜疾患で、角膜内皮が正常と思われるもの。

メリット

長期的にみても自己の角膜内皮が機能しているため、角膜内皮細胞の減少がなく安定しています。全層移植と比べ技術的に難易度が高く時間がかかるものの、拒絶反応がさけられ長期的にみて再移植となることが少ないという大きなメリットがあります。
そのため当院では深層移植を積極的に行っています。視力予後は全層角膜移植と同等です。

円錐角膜に対する深層角膜移植

円錐角膜とは

角膜の中央が前に突出してくる症状です。比較的若い(約15歳~35歳)方に多くみられます。

治療方法

突出の程度が軽い場合 コンタクトレンズで視力矯正
前方への突出が高度な場合 角膜移植

これまで円錐角膜に対しては、全層角膜移植を行うことがふつうでしたが、全層移植には術後の拒絶反応の危険と長期的な角膜内皮の減少という問題があり現在でも解決されていません。若い年齢で移植をお受けになる患者さんの将来を考えると長期的にみて合併症の少ない方法を選択する必要があります。このため当院ではこれらの問題を回避できる深層角膜移植を円錐角膜患者さんに対しても積極的に行っています。

輪部移植(幹細胞移植)

角膜や目の表面の熱傷やアルカリ薬症では、角膜表面をおおう細胞を生み出す元となる細胞(幹細胞)が消失してしまい、角膜表面の上皮細胞が作り出されないために視力障害が起こります。輪部移植(幹細胞移植)は幹細胞を含む角膜の周辺部分を眼表面に縫着する手術です。移植された輪部移植片の幹細胞からは角膜上皮細胞が供給され患者さんの角膜上に増殖していきます。輪部移植片はアイバンクからの提供眼からいただく場合と、自己の反対の目から移植する場合があります。

フェムトセカンドレーザー

フェムトセカンドレーザーとは

角膜移植で角膜を切開することができるレーザーです。自由自在に高精度で切開することが可能です。

適応

角膜移植で切開を工夫することにより乱視の軽減や術後の回復の早さが期待されます。強い乱視の矯正でも有用です。